猫の飲水量を増やす工夫

冬になると、猫があまり水を飲まなくなり「尿量が少ない…」と心配になる飼い主さんもいらっしゃるかと思います。
 
もともと猫は、水の少ない半砂漠地帯で生活していたこともあり、飲水量が少ない傾向にある動物です。
さらに寒さに弱く、冬になると動きが鈍くなり水を飲みに行くという行動も少なくなります。
 
猫の飲水量が減り排尿回数が少なくなると、「尿石症」や「膀胱炎」などの泌尿器系の病気にかかるリスクが高くなります。
猫の動きが鈍くなる冬でもたくさんの水を飲んでもらうためには、水飲み環境をしっかりと整えてあげることが大切です。
猫の飲水量を増やすための工夫を、いくつかご紹介します。
 
①「水飲み場の数を増やす」
水飲み場は、猫の目に付きやすい場所に置くことが大切です。
水飲み場を1ヶ所から3ヶ所に増やすだけで、飲水量が1.5倍に増えたという報告もあります。
 
②「いろいろな種類の器を試す」
陶器、ガラス、プラスチック、ステンレスなど愛猫の好みに合ったものを見つけてあげましょう。
 
③「ぬるま湯を与えてみる」
猫によってはぬるま湯を好む場合があります。特に寒い時期は、冷えた水よりも少し温かい水の方が飲みやすいかもしれません。
 
④「ウエットフードを与える」
ドライフードは10%ぐらいしか水分がありませんが、ウエットフードは75%ほどの水分が含まれています。
人や犬は乾き物を食べると喉が渇きますが、猫はウエットフードを食べてもドライフードを食べても飲水量に変化がない動物です。ウエットフードを好む場合は、水分補給として与えるのも良いかもしれません。
ドライフードからウエットフードに変える場合は、水分が多いために同じ重さあたりのカロリー量が少ないので、ある程度の量をあげないと体重が減る(要求カロリー量を満たしてない)ので注意が必要です。多くの量(重さ)を食べれない子には不向きかもしれません。
 
⑤「ドライフードに水を入れたり、ふやかして与える」
嫌がらない子であれば、手軽で安上がりな方法かもしれません。
少しずつ加える水分の量を多くすることが重要です。
毎日ふやかす場合は、ドライフードの栄養成分に変化がでるので、熱湯でのふやかしは推奨できません。60°未満のお湯であれば、フードの成分が変性することはないと言われています。
 
活動量が少なくなりがちな寒い時期でも猫がしっかりと水分補給できるように、水飲み環境を工夫してあげましょう!
 
 
ご不明な点があれば、当センターへご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師(チーフマネージャー)
濱田 将平