尿道閉塞について

尿道閉塞とは、膀胱から尿を排泄する時に通る尿道に結石などがつまることによって引き起こされます。(腫瘍や血餅等でも閉塞しますが、ほとんどの原因は石です)
 
尿道閉塞を起こすと、尿が排出されないことで老廃物や毒性物質がたまり中毒症状(尿毒症)をおこします。このような状態になると、腎臓が機能しなくなる急性腎障害(AKI)をおこします。この状態になると、早急な治療を行わないと死に至ることがあります。
早期の発見のためにも、ご家族の排尿に関心を持ちましょう!
 
尿道閉塞のサインとしては、
・トイレに行くのに排尿していない
・ぽたぽたとしたたるくらいしか尿が出ない
などがあります。
排尿されず膀胱がぱんぱんになった状態のため、強い痛みを伴い、異常な鳴き声をあげたり外陰部を気にしたりします。
上記のような症状に加えて、食欲不振や嘔吐がみられた場合は緊急性がありますので、覚えておいてください。
 
尿道閉塞を起こすきっかけとなりやすい尿路結石は、尿中のナトリウムやカルシウムなどの成分が結晶化することで発生します。
上記のような結石は、水分を多く摂らせ尿を薄くしたり、食事療法(石を溶かす・大きくなるのを防ぐ・できないようにする)により、予防・解消することができます。
結石の前兆・発見として、膀胱炎には注意が必要です。
犬や猫が
・血尿をした
・トイレの回数が減った
・トイレに行くのに尿が出てない
・排尿を痛がる
などの症状があれば、病院への受診をお勧めします。
 
生活していく上で必須となる「排尿」ですが、毎日することだからこそ気づいてあげられるタイミングを逃さないようにしましょう!
そして、健康診断を定期的に行い、症状が出る前に診断・治療ができるとご家族にとって幸せかと思います。
 
 
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください!
 
 
 
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師
熊田 恵妃