犬のマラセチア性外耳炎
犬の耳疾患として、マラセチア性外耳炎があります。
今回は、今の時期に多いこの疾患について簡単に解説します。
○病態
マラセチア性外耳炎を引き起こすのはマラセチアという真菌(酵母様真菌)の一種です。犬の耳や皮膚に常在するカビですが、皮脂を好むため、皮脂のたまりやすい耳・指間などで増殖します。正常な状態にも存在している真菌ですが、過剰に増殖することにより激しいかゆみを伴う炎症を引き起こします。
○症状
茶色や黒っぽい耳垢・独特な異臭・外耳道の肥厚がみられます。
また、かゆみにより患部を掻きむしることで皮膚を傷つけて、細菌の二次感染をひき起こすこともあります。
高温多湿の梅雨時などに発症しやすく、完治するまでかゆみが継続することが多いと言われています。
○治療
動物病院での診察・治療をお勧めします。
点耳薬や内服で治療します。耳の状態にもよりますが、脱脂を含む耳洗浄を行うこともあります。
○予防
治療しても再発したり慢性化したりすることも多いため、定期的なシャンプーや耳のケアで予防することが大切です。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当センターへご相談ください。
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師(チーフマネジャー)
濱田 将平