猫の左下顎骨に発生した扁平上皮癌の症例報告
猫の左下顎骨に発生した扁平上皮癌の症例報告です。
1枚目写真:手術前の横方向の写真
2枚目写真:手術前の前方向の写真
3枚目写真:切除した左下顎骨
猫の口腔内扁平上皮癌は、意外に多い症例です。
歯周病や口内炎として、放置されてしまうことも多いように思います。
この癌は、非常に局所浸潤性が高いため、急激に大きくなってしまいます。
早急な診断・治療で予後は著しく長くなります。
この症例も早期の診断→入念な飼い主様への説明と同意→左下顎骨切除を行いました。
病理検査の結果からマージンOK(取り残しもない)だったので、片側下顎骨切除に伴う最低限のQOLの低下はありますが採食・飲水も可能になるために長い予後を期待できます。
「顎の骨をとるなんて!」と思われるかもしれませんが、このような切除をしないと取り残しがみられ、リスクをかけて手術をする意味がありません。口腔扁平上皮癌の症例によっては、両側の下顎骨切除を実施する症例もいます。
当センターに関わる犬猫が幸せな生活をおくれるように(「生きる」を楽しめるように)、日々努力を惜しまず精進していきます!!!
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
獣医師チーム