猫エイズ(FIV)・猫白血病(FelV)検査について
猫エイズ(FIV)・猫白血病(FelV)検査について
先住猫がいる場合、新たに保護猫を迎え入れる時に、猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)(FIV)と猫白血病ウイルス(FeLV)を持ち込まないように注意することが重要です!
FIVは感染した段階では無症状ですが、発症すると免疫力が低下して口内炎や風邪症状・下痢などがなかなか治らないエイズ関連症候群期を経て、最終的にはエイズ期と呼ばれる著しく免疫力が低下した状態になり、感染症や腫瘍で亡くなってしまいます。
感染源はウイルスを持った猫の血液で、多くは感染猫とのケンカや交尾により感染します。
FelVはウイルスに感染しただけでは何も症状はありませんが、発症するとリンパ腫や白血病などの血液のガンになったり、赤血球や白血病などの血球減少症などが起こり、猫エイズ と同様に免疫不全に陥ります。
猫白血病ウイルスは感染猫の唾液や尿中にも含まれるため、同じ食器やトイレを共有したりすると感染のリスクがあります。
FIVやFelVは、治る病気ではありません。
新しく猫を飼い始めたことで、先住猫がウイルス感染するなんて避けなければなりません!
そのために、予防が重要になります!!
ワクチンはありますので、感染している子がいる場合、他の子にワクチンをうつことで予防可能となります。
ただし、通常の室内猫用の3種ワクチンにはどちらも含まれていない為、必要であれば専用のワクチンをうつ必要があります。
感染経路を正しく理解し、適切な検査時期を理解し、必要であらばワクチンをうつことが重要です。
保護してすぐに検査をしても、意味がないことがあります!!
~ウイルス検査の適切な時期~
成猫の場合は保護してから1ヶ月以上経過してから、
子猫の場合は保護して1ヶ月後でかつ、生後3ヶ月を過ぎてからの検査をお勧めします。
その理由は、
・ウイルスには潜伏期間があるため、保護してすぐに検査をしても正確な結果が得られない為です。
・生後3ヶ月頃までは、母猫からの移行抗体の影響で正確な結果が得られないためです。
先住猫がいる場合は最低でも1ヶ月は一緒にせず、保護した猫をケージに入れて過ごしてもらい、ウイルスチェックの結果によって共有スペースでの生活をさせましょう!
ケージ越しでの付き合いが猫にとっても少しずつ距離を縮められ、後の共同生活が円満になるかと思います。
慌てずしっかりした知識を持って、猫の多頭飼いを楽しんでください♪
猫を保護して悩まれている方、当センターへお気軽にご相談ください。
博多犬猫医療センター
動物看護師(チーフマネージャー)
濱田 将平