肝臓病とその食事管理

院内セミナーを行いましたので、今回は肝臓病とその食事管理について解説します。
 
肝臓病の役割は主に
・作る(タンパク質や胆汁、尿素など)
・貯める(ビタミンやミネラル、血液など)
・壊す(有害物質を解毒する)
と言う3つの働きをしています。
 
肝臓は
・予備能力が高い
・再生能力が高い
のでなかなか症状が表に出てこないため沈黙の臓器と言われています。なので症状が出た時には、かなり進行していることが多いです。
 
そのため、肝臓の異変に早く気付くためには定期的な健康診断が重要です。
 
また、わんちゃんとねこちゃんでは肝臓が悪くなりやすい部分も違っていて、
わんちゃんでは肝実質(肝臓自体)が悪くなりやすく、
ねこちゃんでは胆管が悪くなりやすいと言われています。
また、ねこちゃんは食欲不振が続く(絶食状態が続く)と肝リピドーシスと言う危険な状態になってしまうことがあるので注意が必要です。
 
肝臓はほぼ全ての栄養素の代謝に必要不可欠なため肝臓病になると、栄養失調になることが多いです。そこで、肝臓病の管理には特に食事管理が重要になってきます。
 
わんちゃんの肝臓病の食事管理は、肝臓に症状がない状態で肥満気味な子には満腹感サポート小型犬用S、
血液検査で中性脂肪が高い子や症状が出てきている子には消化器サポート(低脂肪)、
肝臓の症状がかなり進んでいて、腹水が溜まっていたり、肝性脳症と言う神経症状が出ている子には肝臓サポート
を使用することをオススメします。
 
ねこちゃんの肝リピドーシスの状態で食欲不振の子では、基本的にチューブフィーディング(鼻にカテーテルを入れたり、咽頭にチューブを入れて栄養管理すること)を行い、計画的に給餌していきます。
回復してきたら、退院サポート缶や退院サポートリキッドを使用します。
 
 
私達も勉強会を通して知ってることの再確認・新たな情報収集を常に行なっています。
何か分からないことや気になることがございましたら、お気軽に当院にご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター
動物看護師
上田 果奈