栄養カテーテルについて
「ご飯を食べない」→こんな方法あります!
皆さん、栄養カテーテルをご存知ですか?
栄養カテーテルは、鼻や頸部や腹壁から胃に直接チューブを入れることにより、本人の食べる意欲に関わらず食事を与えることができるものです。
病気で食欲が出ず何日も食事をしていない、口〜胃の間に腫瘍などの異常があり経口からの食事が困難など、栄養カテーテルを勧める理由は様々です。
食事をとれないと生きるために必要な栄養を摂ることができず、どんどん衰弱していきます。
また、食事をとらない間、消化管が活動しないため、消化管の細胞が萎縮し正常に働かなくなってしまいます。
消化管は体内で最大の免疫系と言われており、消化管が活動しないということは免疫力が低下することに繋がってしまいます。
栄養カテーテルには、経鼻・食道・胃瘻の3種類があります。ここでは経鼻カテーテルについてお話しします。
経鼻カテーテルは、無麻酔で設置を行うことができ、動物への負担も少ないのが最大のメリットです(個体によっては鎮静化で行うこともあります)。その他の利点として、カテーテルを入れた状態でも自ら食事や水を口にすることができることです。
もちろん、見た目や流動食を与える労力などデメリットも多々ありますが、足りない栄養を与えながら食欲があれば自ら食べる・飲むことができ、病気の回復への後押しができます!
チューブを入れることに抵抗がある飼い主様は多いかもしれませんが、栄養を与えないことには病気の回復に繋がらず、消化管の萎縮が進んでしまいます。食欲がない全ての動物に当てはまる方法ではありませんが、必要な場合は思いきって早期に開始することが大切です。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当センターにご相談ください!
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師(研修生)
熊田 恵妃