猫の便秘について

猫の便秘について
 
 
便秘は人だけだなく他の動物にも起こり得ますが、中でも猫は便秘になりやすい動物だと言われています。
今回は、猫の便秘についてご紹介します。
 
~猫の便秘の症状~
○丸2日以上排便がない。
排便の頻度や量には個体差がありますが、一般的に「丸2日以上排便がない」場合は便秘の可能性が高いと考えられます。
○排便回数が多い、便の切れが悪い。
排便はあるが、1日に何度も排便をしたり、便の切れが悪くなったりしている場合も便秘の可能性があります。
○力んでいるのに便が出ない。
便秘によって腸内に大量の便が詰まっている場合、普段より長く力んでいるのになかなか便が出ないことがあります。
○便が硬く、乾燥している。
便秘になると、表面が乾燥した硬い便が出るようになります。これには食事の内容が影響している場合もありますが、硬くて短いコロコロとした便が何日も続く場合は便秘の可能性があります。
 
~猫の便秘の主な原因~
・水分不足
・毛玉による便秘(毛玉症)
・加齢による腸の機能低下
・ストレス
・腸や肛門の異常、病気
・交通事故や骨奇形による骨盤の異常
・腹腔内腫瘤(骨盤腔内)
などが便秘の原因として考えられます。
 
~猫の便秘の予防~
○水分摂取量を増やす。
まずは猫が積極的に水分を取れるように環境や食事内容を工夫することが大切です。
水飲み場を1ヶ所から3ヶ所に増やすだけで、飲水量が1.5倍に増えたという報告もあります。
それでも水をあまり飲まない猫には、水分を多く含んだウエットフードを与える方法もあります。
○トイレ環境を整える。
まずはトイレの汚れをしっかりと取り除くことが大切です。その上で、トイレの砂の種類を変えてみたり、トイレの場所を人目に触れない静かな場所へ移したりして、猫が落ち着いて排泄できる環境を作りましょう。
○ブラッシングをこまめに行う。
ブラッシングによって余分な毛を取り除き、猫がグルーミングした時に飲み込む毛の量を減らすことも便秘の予防になります。
○FOODを変える
便に水分を多く含ませて出しやすくするような便秘用の食事があります。動物病院に、ご相談ください。
 
猫は便秘になりやすい動物だといわれていますが、それには
「水分をあまり摂取しない」
「グルーミングで飲み込んだ毛が腸へ詰まることがある」
「腎臓病など脱水を伴う病態に罹患しやすい」
など、特有の性質も関係しています。
猫が便秘になること自体は珍しいことではありませんが、便秘が重症化すると治療が必要になることもあります。
今回ご紹介した症状や予防法を参考にして、猫の異変にいち早く気づき対処できるようにしてください!
 
 
ご不明な点があれば、お気軽に当センターへご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師(チーフマネージャー)
濱田 将平