解熱・鎮痛剤中毒

解熱・鎮痛剤中毒
 
 
人では鎮痛・解熱剤として一般的に使われている非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)ですが、誤食してしまうととても危険です。
NSAIDSは動物でも治療薬として使用しますが、人のものだと容量が多いことや、ドラッグストアでもうられている一般的な薬物の為、他の薬に比べると有害作用や誤食症例がみられることが多いです。
薬物の代表的なものとして、イブプロフェンがあげられます。
今回は、非ステロイド系抗炎症薬中毒についてご紹介します。
 
~非ステロイド系抗炎症薬よる中毒症状~
○初期の症状は、摂取後4-6時間で出現します。
・嘔吐、下痢
・食欲不振
・腹痛
・呼吸促迫
・運動失調
などの症状が現れます。
○過剰摂取による症状として、
・消化管出血
・発作
・低血圧
・昏睡
・腎障害
・呼吸抑制
などの症状が現れます。
○消化器症状が典型的で、嘔吐や下痢、ひどい場合は吐血や下血を引き起こします。
 
~非ステロイド系抗炎症薬を食べてしまったの対処法~
誤食してしまった場合は、すぐに動物病院を受診するとこをお勧めします。
○食べた直後
催吐処置(吐かせる処置)を行い、胃の中にある薬剤を排出することができます。
多量の場合は、胃洗浄を行うこともあります。
少しでも、吸収される薬剤量を減らすことが大事です。
○時間が経過している場合
他の中毒に対する治療と同様に、静脈内輸液を行います。体内に吸収した薬物の代謝を促進し、早く尿として排出する為です。
また、典型的な症状である消化器症状に対する対策として胃腸保護の治療を同時に行います。
 
~非ステロイド系抗炎症薬中毒の予防~
誤食を防止するため、犬の届かない所に保管する事が一番の予防です。
シップなどの鎮痛外用薬も、上記の症状がおきる可能性がありますので注意が必要です。
 
非ステロイド系抗炎症薬に限らず、人体薬を自己判断で動物に投与する事も大変危険なのでやめましょう。
 
 
ご不明な点があれば、お気軽に当センターへご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師(チーフマネージャー)
濱田 将平