高脂血症
高脂血症について
高脂血症とは、血液中のコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)の両方、もしくは一方の濃度が増加して高い値を示している状態をいいます。
コレステロールなどの脂質が血液中を運搬される時は、タンパク質と結びついた状態(リポタンパク)で運ばれますが、高脂血症は、リポタンパクと結合ができずに遊離した状態の脂質が増えたり、単独あるは複数種のリポタンパクが増えたりしている状態です。
写真は、右が正常な子の血漿で、左が高脂血漿の子の血漿です。こんなドロドロの血液が、体内に流れているんです。
~高脂血症の原因~
①原発性(一次性)高脂血症
遺伝性や特発性(原因不明)によるものです。リポタンパクリパーゼ(リポタンパクを分解する酵素)の欠損や活性の低下などの代謝異常によって起こります。
②続発性(二次性)高脂血症
糖尿病や肝疾患、急性膵炎、タンパク喪失性腎症、肥満などに続いて起こります。
その他、高脂肪食の給与も一過性の高脂血症を引き起こすことがあります。
~高脂血症の症状~
高脂血症は無症状の場合が多いですが、嘔吐や下痢、食欲不振や腹痛などがみられる場合があります。また、続発性高脂血症の場合は、原因となる疾患によって症状は様々です。
~高脂血症の治療~
原因となる疾患などが判明した場合は、その治療を行います。
高脂血症のコントロールは、食物中の脂質を制限する食事療法が基本となります。脂質の制限に加えて、血中の脂質を低下させる作用のあるサプリメントの投与を行うこともあります。
~高脂血症の予防~
低脂肪・高繊維食の給与、カロリーコントロールなどの食事管理が挙げられます。
適度な運動をして肥満にならないように注意しましょう。
ご不明な点があれば、当センターへご相談ください。
博多犬猫医療センター
動物看護師
濱田 将平