猫の乳腺腫瘍について
猫の乳腺腫瘍について
キャットリボン運動をご存知ですか?
キャットリボン運動とは、猫の乳腺腫瘍を早期発見・適切な治療をすることで乳がんで苦しむ猫を「ゼロ」にすることを目的とした運動です。
乳がんとは乳腺に発生する悪性腫瘍のことを言い、猫の悪性腫瘍の中で1番多いとされているのが乳がんです。
猫の場合、乳腺にできるしこりの9割が悪性だと言われています。(犬は5割)
そこで大切になってくるのか乳がんの『早期発見!』、『早期治療!』になってきます!
乳腺のしこりがあるかどうかは普段のふれあいで気付くことができます。
セルフチェックの方法をご紹介します。
①猫ちゃんを挟むようして仰向けにする。
難しい時は胸からお腹が十分に触れられる体勢であれば大丈夫です。
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②おっぱいの周り、脇の下から足の付け根まで広い範囲をチェックしていきます。
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③おっぱいのあたりをつまむようにして、優しくマッサージします。
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④上から下に向かって、右側・左側と順に行うと漏れなくチェックできます。
※写真1枚目(PEPPY 2021年春夏号より引用)に分かりやすく書いてありますので、ご覧ください。
上記を、月に1回程度行うと良いと言われています。
猫が嫌がってる時は無理に全てを行わずに、少しずつ無理なく行いましょう。
1つでもしこりを見つけた場合は動物病院に受診されることをおすすめします。
猫の乳腺腫瘍は、進行が早く巨大化したり転移しやすいものです。
場合によっては、症例写真のような状態になったり、小さいものでも手術が必要になることがあります。
当センターには、ご紹介でも多くの猫が来院されます。
治療法は、ひとつではありません。経験豊富なドクターが、しっかり診させて頂きます。
症例写真(飼主様の許可を得て掲載しています)
症例1:乳腺腫瘤が突然大きくなって破裂して血だらけの状態で来院。特殊な軟膏で止血。翌日にスクリーニング検査にて異常・転移ないことから、乳腺腫瘤含む乳腺全摘出手術を実施。病理検査の結果、乳腺腫瘍で残念ながらリンパ節への転移がみられたことから抗がん剤治療中。
症例2:右第2乳腺付近に小豆大のしこりがあるとのことで来院。スクリーニング検査にて異常・転移ないことから、乳腺全摘手術を実施。病理検査の結果、乳腺腫瘍であったが、脈管内・リンパ管内の転移ないことから完治。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当センターまでご相談ください。
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師
上田 果奈